今日,1:15からD論の公聴会がありました.こちらではデフェンスといいますが..
この人はすでに何本か論文を出しており,Natureにも私が知る限りで2本出しています.で,どんな内容かというと,これがすごい..とてもかないません..
以下専門的ですが..
地震波トモグラフィーとマントル対流計算を組み合わせて,現在の地震波トモグラフィーや地表のプレート運動速度から,過去の地球の内部構造をインバージョン手法(アジョイント法+データ同化)で求めるというものでした.数十年前にプレートテクトニクスの理論が確立したが,その時にも,現在の状況から過去の状態を求めるインバージョン手法が流行しました.それは地球表面でしたが,今は,地球の内部の過去の状態まで推定できちゃうのですね..今まで想像でしか無かったものが,計算で実際のデータから求める事ができちゃうとは..でも,実際には粘性率や地殻の温度などを仮定する必要があり,そのあたりは実際の地質学的な情報を取り入れて推定していました.
日本は地殻変動が複雑かつ領域が狭くて,難しいだろうなというのが感想です.アメリカだからできたのでしょうね.
そういえば,昨年のD論もNatureかScienceに掲載されたものでした.Nature,Scienceってそんなに身近ものだったかなぁと思ってしまいます.
ちなみに,写真はCaltechの地球惑星系の建物です.